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高専から進学? 「専攻科」ってなに? 高専卒業生が解説!

高専生なら必ず知っている「専攻科

ですが、高専の受験を考えている中学生やその保護者の方など一般の方からの知名度はかなり低く
何それ状態なのではないでしょうか?

高専」についてもよくわからないよ、という人は「高専」についてまとめた記事がありますのでご覧ください。

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よく知られていない「専攻科」について高専卒業生が詳しく解説していきます。

目次

「専攻科」とは? 簡単に言うと・・・

「専攻科」とは各高専に付属している教育機関です。

専攻科の立ち位置は以下の図のようになります。

引用:文部科学省 高等専門学校(高専)について

2年間の教育課程を終え、専攻科を卒業すると、大学卒と同じ扱いになります。

外部からの入学も可能ですが、多くの場合、高専の本科(5年間)の卒業生が入学することになります。
入学試験があるものの、内部進学のようなものと思っていただければわかりやすいかと思います。

また、1学年20人程度となっています。
かなり少ないですね。

「専攻科」にはどうやって入るの?

専攻科には「推薦入試」と「一般入試」があります。

推薦入試」は高専本科で成績をある程度取っていれば受けることが出来ます。
この場合、試験はありません
また、「推薦入試」で落ちている人を見たことがないので合格率は100%だと思います。
推薦入試」を利用した場合、必ず専攻科に進学しなければいけないことには注意が必要です。

一般入試」は通常の入試と同様に試験を受けることになります。
大学への編入を目指している場合、「推薦入試」を受けることが出来ず、「一般入試」を受けて滑り止めとすることが普通です。編入についてわからないという人は編入について書いた記事がありますのでご覧ください。

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試験の難易度は高くないのですが、
枠が少ない
受験生のレベルが高い(編入を目指しているため)
ため、落ちることは普通にあります。

「専攻科」ではどんな勉強をするの?

「専攻科」には高専本科同様いくつかのコースが設置されています。

「専攻科」では高専本科4~5年で行ってきた研究を引き継いで研究を継続するか、
新たな研究に取り組むことになります。

それに追加して、通常の授業も行われます。
もちろんコースによって学ぶ内容は様々です

大体以下のようなことを学ぶことになります。
機械系:「ロボット制御」「設計工学」「応用材料力学」など
電気情報系:「信号処理」「制御工学」「情報工学」など
都市建築系:「地盤工学」「構造解析学」「振動論」など
化学系:「化学反応論」「応用有機化学」「化学熱力学」など

高専本科の発展、応用分野を学ぶので、かなり難しそうな内容になっていますね。

「専攻科」卒業後の進路

「専攻科」卒業後は、「就職」、「進学」のどちらかを選ぶことになります。

「就職」「進学」の割合は学校にもよりますが、大体7:3になっています。

高専本科の卒業は「就職」「進学」の割合が6:4だったので、
就職の割合が高くなっていることがわかります。

「就職」「進学」についてそれぞれ詳しく話していきます。

専攻科生の進路 ~就職~

本科からの就職はかなり優秀なことを高専とはなにかで述べましたが、
専攻科生の就職はどうなっているのでしょうか?

ではさっそく就職先を見ていきましょう。

ここでは例として、東京高専(東京都)、府大高専(大阪府)の2つを見てみましょう。

まずは東京高専です。

機械情報システム工学電気電子工学物質工学
エヌ・ティ・ティ エムイー、
キリンエンジニアリング
富士通、
京王電鉄
旭化成、
住友化学
参照:東京工業高等専門学校 専攻科進路状況

次は府大高専です。
コースごとの就職先が不明でしたのでいくつかピックアップします。

・川崎重工業
・日立造船
・パナソニックエコシステムズ
・大阪ガス
・ソフトバンク

いかがでしょうか?
相変わらず優秀ですが、本科生とそれほど変わらない就職先であることがわかると思います。

では次に、求人倍率についてみていきましょう。
高専本科では1生徒に対し、平均20社が求人を出していました。

ここでもまた、府大高専のサイトから引用してみましょう

専攻科は100倍前後と非常に高い数値を保っています

なんと100倍です。
1生徒に対し平均100社が求人を出しているのです。

こうなると就職先を選びたい放題ですね。

高専本科と比べて高専専攻科は、就職のしやすさで上を行っていると考えられますね。

専攻科生の進路 ~進学~

進学には大学院への進学という道があります。

まずはどこの大学院に進学しているのかを見てみましょう。
ここでもまた、例として東京高専(東京都)、府大高専(大阪府)の進学先を見てみます。

まずは東京高専です。

大学名人数
電気通信大学4
東京工業大学2
東京大学1
筑波大学1
豊橋技術科学大学1
その他3
参照:東京工業高等専門学校令和2年度専攻科進路状況

次は府大高専です。

大学名人数
奈良先端科学技術大学院大学3
京都大学2
大阪大学1
筑波大学1
神戸大学1
その他4
参照:大阪府立工業高等専門学校2020年度専攻科進学状況

いかがでしょうか?
割合を考えれば、編入よりも難関大学に進学しやすいことがわかります。

ですが専攻科からの大学院進学は注意が必要です。

主には、大学から大学院への進学時と同様で、入学試験を受けての進学になります。
そのため、競う相手は高専生ではなく、一般の大学生になります。
このことはメリットデメリットどちらにもなります。

それぞれ見ていきましょう。

まずはデメリットからです。
・内部生ではないので、院試の情報を集めにくい
これは分かりやすいデメリットですね。

次にメリットです。
・編入と比べて倍率が低い
かかるお金が少ない
これは分かりにくいと思うのでそれぞれ詳しく説明していきます。

難関大学に編入しようとすると倍率は大体2~4倍になります。
ですが、院試の倍率は大体1~2倍程度ですので、単純にみれば院試の方が受かりやすいことがわかります。

次にかかる金額が少ないという点ですが、実は高専専攻科の授業料は、大学の授業料より安くなっています。
国立工学部の授業料は大体年間50万円なのですが、高専専攻科の授業料は年間25万円程度であり、およそ半額となっています。
そのため、編入してから大学院への進学をすることを考えると、年間25万円、2年分で合計50万円お得になります。
結構大きい金額ですね。

そのため、大学院まで進学することを見越して、編入ではなく専攻科という道を選ぶ人も多いです。

そして、高専専攻科用の枠を用意している大学もあります。
例えばですが、九州大学奈良先端大学といったような大学は専攻科用の枠を用意しているため、他の大学生と比べても進学しやすいです。

この枠を使うのであれば専攻科からの進学はメリットしかないですね。

「専攻科」についてのまとめ

専攻科について色々見てきました。

専攻科は高専と大学院の中継ぎのような役割の教育機関で、
就職は本科よりも良く
進学については編入と比較してメリットデメリットあることがわかりました。
ただし、大学によっては専攻科用の枠を設けているところもあり、こちらではメリットしかないことがわかりました。

高専よりもさらに知名度のない「専攻科」ですが、これを機会に興味を持っていただければなと思います。

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